音響機器選定時における視聴環境設定の共通化について

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自分自身と相手、友達、知り合いは同じ人間にしても同一人物ではない、全て100%同じであるなら同じものを推奨できるがそんな訳はない。
とは言っても聴き比べたりといったことを行ったことが無い人は多いだろう。
また、イヤホンやヘッドフォンの違いについて考えたりしたことがある人も少ないと思う。
そうした人に向け、あくまで私の場合ではあるがそれぞれのイヤホンを聴き比べる際の手ほどきを下記に書いていく。

○視聴する際の共通設定

視聴する際に無闇にお店へ行って視聴してるわけではない。
あくまでも私の場合だが、多数のイヤホンをいくつも視聴する場合に決まった曲を流している。
また、元曲の音質で左右されることもあるためできる限り同じ音源で試している。
対象試験を行う場合もそうだが、試験するにあたり比較するものさしがバラバラでは図ることが困難となる。
そのため、大体の人は私のように決まった曲を流し、それぞれの機器の比較を行っていると思う。
また、この共通設定に決まりはない。自分が普段よく聴く曲であったり他の要因でも良い。
あくまでも本記事は私個人の勝手な考察と経験でやっているだけのものである。

○共通設定とは

私の場合、下記内容で統一している。
・音源(圧縮方式、音源元)
・視聴機器(スマホ、DAP等)

音源だが、できる限り情報量が多い音源を準備するのが良い。
これは元の音源であるWAVEやFLAC形式といったいわばハイレゾ音源が理想である。
最近ではスマホのイヤホンジャックが無いモデルも多く出ているため、その際にはスマートフォンではなくDAPを用いて視聴している。

○視聴するときの音楽

私の場合だが、下記3曲で聴き比べを行っている。

<視聴曲>
・サカナクション/ミュージック
・MONKY MAGIC/Change
・フリードリヒ・グルダ/チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲 第1楽章

なんでこの3曲なの?という問だが、それぞれ理由があるので下記に書いていく。

・サカナクション/ミュージック
→本曲はシンセサイザーが多量に使われ重低音から中音までが幅広く使われる騒がしい曲である。
もちろんちゃんとボーカルがいる曲であるが、この曲はなぜかそのボーカルの声がやけに薄い。(私の持っている初版CDだと何故か小さい)
比較する際だが、最後のCメロからサビのあたりのコーラスの声をよく比較で使っている。
歌声の再生に弱いイヤホンの場合、このコーラスが小さく聞こえるからだ。

・MONKY MAGIC/Change
→三味線で有名な吉田兄弟とタイアップした三味線+ロック曲である。
出始めから三味線特有の硬いがどこか柔らかく伸びる高音が鳴り、リードしていく。
で、この曲だがギター、ベース、ドラム、三味線の音がそれぞれ非常に聞きやすい。
開始30秒あたりで出演する楽器がすべて出てくるので、イヤホンが奏でる楽器音が普段利用しているものと比べてどのような違いで鳴っているのか判断がしやすい。複数の楽器がいる状態でそれぞれどの音なのか判断できるかどうか、イヤホン自体の音の分解能力を試せる。
質悪いイヤホンの場合、一部の楽器が聞こえないといったことが判りやすい。

・フリードリヒ・グルダ/チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲 第1楽章
→ジャズっぽい曲だが、合間合間にフルートとチェロが伸びやかな音を出したりと全体的な音がどこまで伸びるのか判断することができる。
曲としての盛り上がりであったりそうした場面も多く、バランスの良いイヤホンでなければこの曲をしっかりと鳴らすことができない。

整理すると、それぞれボーカル、分解能力、音域確認といった3要素で私はこの曲たちを採用している
私の好みだが、比較的好きな人がお多いドンシャリ系(低音重視、高音がやけに鳴る物)ではなく、低音から高音まで一律同じ音圧で鳴るフラットなタイプが好きである。
もちろんそのようなイヤホンは実際にはない。(音域によっては同一の音圧でも、聴いた際に大きい小さいと判断する場合がある)
だからこそあくまでも自分の趣味と耳で聞いていただきたい。

○視聴に決まりはない

色々と書いたがあくまでもこれは私の中での一つのルールでしかない。
他にも利便性だったり、耐久性、保守性と言った面々も参考にしなければならない。
それに音というのは自分自身で探すものである。好きな絵や文も同様にその一人ひとりのクリエイティブな部分に訴えかける要因の一つだ。
わからないから選べないのではなく、わからないけど試しに安いのでもいいから買ってみよう、使ってみようと思ってほしい。
そこから最初の一歩が始まり、様々な要因に触れる機会を与えてくれる。
視聴する曲がアニソンだったりデスメタでも何でも良い。自分が好きな音楽を鳴らして視聴をしてくれればいい。
ただとりとめもなく、何となく高いものを買ったりと言ったことだけは止めてほしい。
高いから良いというのではなく、自分が選ぶから良いものであるととらえていただきたい。

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